株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

有水晶体眼内レンズの適応と成績【高い安全性・有効性が報告され,中等度近視まで適応が拡大しつつある】

No.4857 (2017年05月27日発行) P.58

宮田和典 (宮田眼科病院院長)

神谷和孝 (北里大学医療衛生学部視覚生理学教授)

登録日: 2017-05-25

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 近視の手術的治療法のひとつである有水晶体眼内レンズの適応と成績について,北里大学・神谷和孝先生にご教示をお願いします。

    【質問者】

    宮田和典 宮田眼科病院院長


    【回答】

    有水晶体眼内レンズは前房型(隅角固定・虹彩固定)および後房型(毛様溝固定)レンズに分類されますが,レンズの種類によってそれぞれ特性が異なります。本稿では,現在「有水晶体後房レンズ」として唯一,厚生労働省より認可されている後房型有水晶体眼内レンズについて概説したいと思います。

    まず手術適応ですが,年齢については21~45歳が適応とされています。高齢者(特に50歳以上)では術後白内障の発生頻度が高くなります。次に,前房深度(角膜内皮~水晶体前面)は2.8~3.0mm以上必要です。それ以下の場合は,眼内において手術操作を行う上で困難となり,角膜内皮や水晶体を損傷する可能性が高まります。術前屈折度数については,通常-6.0D以上の強度近視を適応としており,−15.0D以上は慎重適応となります。通常,屈折矯正手術の標準術式であるレーシックにおいて問題となる角膜厚の制限がありません。角膜内皮細胞密度は明確な基準はありませんが,2200~2800個/mm2以上あることが望ましいと思います。

    残り637文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    関連物件情報

    もっと見る

    page top