未成年・未婚の18歳女性が自宅分娩(出生体重2100g)に至り,同居する家族が救急車を要請しました。児娩出の瞬間に立ち会った医師,助産師はいなかったとのことです。
救急搬送中に胎盤が娩出されたのち,産科医療補償制度に加入する医療施設に搬入されて入院し,会陰裂傷縫合術などを行って退院しました。
(1)出生証明書の記載は誰が行うことになりますか。
(2)医師・助産師の出生証明書がなくとも出産育児一時金を請求できますか。
(3)当該医療機関は分娩費用を請求できますか。
(4)産科医療補償制度は利用できますか。
(5)自ら立ち会わない出生について出生証明書を発行した医師は,いかなる罪に問われますか。
(6)医師が作成した虚偽の出生証明書を公務所に提出した親は,どのような罪に処せられますか。
(秋田県 K)
(1)出生証明書の記載者
出産に立ち会った医師または助産師がいないので,医師,助産師は出生証明書を書くことはできません。出産に立ち会った者が出生証明書を書くことになります。児の父または母,いずれも不可能な場合は同居人が,出生証明書と出生届を出生の日から14日以内に父母の本籍地または届出人の所在地,あるいは出産をした地域の市区役所・町村役場の戸籍係に提出することになります。出生届は,未成年者・未婚でも提出することができます。
(2)出生証明書なしの出産育児一時金請求
母親は,出産の事実を証明し,出生届を提出すれば出産育児一時金請求手続きを行うことができます。質問の事例は,救急搬送中に胎盤が娩出されたので,出産の事実の証明は比較的容易でしょう。
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