株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

介護老人保健施設における看取りとしての「老衰」[〈今日使える〉死亡診断書・死体検案書の書き方・考え方〜当直・在宅・事故(2)]

No.5273 (2025年05月17日発行) P.32

久保真一 (福岡大学名誉教授)

登録日: 2025-05-17

最終更新日: 2025-05-14

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

【症例】

94歳,女性。介護老人保健施設(特別養護老人ホーム)入所者。本日午前3時,付き添いの家族,施設職員から,息を引き取ったとの連絡を受け,午前3時30分,往診し死亡確認を行った。最終診療日は,前日の午後4時で,傾眠状態であった。

1カ月前より,しだいに食事が摂れなくなり,1週間前からは,水分もほとんど飲めなくなっていた。4日前に往診した際に家族には,あと2,3日もつかもたないかでしょうと告げていた。3週間前に診療し,家族と面談した際には,以前からの本人の希望もあり,本人ができる範囲で飲食させて,点滴等の処置はしないで自然に送りたいとの意向であった。

8年前に入所。15年前に心房細動でアブレーションを実施。以後,発作はおさまっていたが,この3年ほどは下腿浮腫が出現し,心不全の診断で利尿薬を使用していた。そのほか,変形性膝関節症で通院・治療中であった。

プレミアム会員向けコンテンツです(連載の第1~3回と最新回のみ無料会員も閲覧可)
→ログインした状態で続きを読む

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

関連物件情報

もっと見る

page top