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飲酒・酩酊して転倒し搬送された頭部外傷[〈今日使える〉死亡診断書・死体検案書の書き方・考え方〜当直・在宅・事故(3)]

No.5274 (2025年05月24日発行) P.32

久保真一 (福岡大学名誉教授)

登録日: 2025-05-26

最終更新日: 2025-05-21

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【症例】

56歳,男性。本日午後6時頃より,職場近くの焼鳥屋において,同僚たちと飲食していた。午後7時15分頃,大きな物音がしたのを聞きつけた従業員により,本屍がトイレで倒れているのが発見された。「転んで後頭部を床で打撲したが,大丈夫だ」と話したので,店内の座敷に休ませた。午後9時頃,同僚が本屍の様子を見にいくと,いびきをかいて寝ていたので,そのままにした。午後10時30分頃,再び様子を見にいくと,仰向けのままで呼吸をしていないことに気づき,119番通報した。

救急隊到着時(午後10時40分),呼吸停止,わずかに脈拍を触知したが,病院搬入時(午後11時)には,心拍も停止,蘇生を試みるが回復することなく,午後11時30分死亡確認となった。

死後CT検査を実施したところ,後頭部に皮下血腫を認め,頭蓋内では,左大脳半球に硬膜下血腫を認め,左右の前頭葉下面と右側頭葉前極部に脳挫傷,くも膜下出血を認めた。

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