日頃、外科系各科の先生方にはお世話になっております。麻酔科の観点から見た、一般病棟に帰室する患者の術後管理における注意点について、若手の先生から質問を受けることがあります。また患者家族からも、既に手術が終了しているのに、病棟にはまだ戻らないのかとのご指摘を受けることがあります。本稿では、これらの件に関するご説明を申し上げたいと思います。
近年では、手術室退室時の患者の状態を点数化して評価する「Aldrete(アルドレート)スコア」を、一般病棟への帰室時の判断基準として用いている施設が増えています。当院でも、数年前より改変Aldreteスコアを使用しています。このスコアにおける評価項目は、術後管理時の注意点とも考えられます。
Aldreteスコアでは、意識レベル、身体活動、血行動態、呼吸、酸素飽和度、術後疼痛、術後嘔気の7項目について0~2点の3段階で評価し、合計14点のうち12点以上が一般病棟帰室基準となります。1項目でも0点があれば、その項目が改善するまでは麻酔科医のもとでの観察となり、一般病棟には帰室できません。具体的な評価の内容は以下の通りです(括弧内は点数)。
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