厚生労働省の社会保障審議会医療部会は20日、第7次医療計画を策定する都道府県に対し発出する通知に盛り込む医師確保策を了承した。医学部地域枠の入学生を原則、地元出身者に限定するよう求め、地域定着率向上を図る。
厚労省の調査では、大学所在都道府県の出身者は臨床研修修了後もその都道府県に定着する割合が高いことが分かっている。これを踏まえ同省は、医師の地域偏在解消の司令塔となる地域医療支援センターの医師派遣機能を強化。
その一環として、同センターや都道府県が策定する「キャリア形成プログラム」(用語解説)の中に、①原則として大学所在都道府県で臨床研修を受ける、②勤務地・診療科を限定する、③就業義務年限を自治医大と同等(9年)にする―ことを位置づける。また、医師の派遣先が公的医療機関など特定の開設主体に偏らないようにし、出産・育児等によるプログラムの内容変更等にも柔軟に対応することを書き込む。
同省医政局は、国・都道府県が確保した財源から修学資金を貸与する地域枠については、公費を投じていることを考慮し、地元出身者に限定すべきとの考えを示している。ただし、他の都道府県の大学に地域枠の入学生の受け入れを要請しているケースもあることから「地元に定着する方策がある場合には、地元出身者に限定しないことも認めるよう、通知の書き方を工夫して周知する」(佐々木健地域医療計画課長)としている。