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緑内障手術:流出路再建術のアップデート【新しいデバイスの開発により,安全・確実な手術が可能に】

No.4870 (2017年08月26日発行) P.53

本庄 恵 (東京大学眼科講師)

登録日: 2017-08-23

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近年,micro invasive glaucoma surgery(MIGS)と呼ばれる低侵襲の緑内障手術が話題となっており,海外では様々なデバイスの開発が進められ,わが国でも使用可能なものが増えている。緑内障治療では薬物治療で十分な効果を上げられない場合に手術を検討することとなる。MIGS系の手術は,眼圧下降効果に関しては濾過手術より劣るものの,白内障との同時手術などで,安全・簡便に行えることから注目を集めており,流出路再建術をターゲットとしているものが多い。

眼内から行う線維柱帯切開術に使用する器具としてFDAで認可されたトラベクトームは,わが国でも2004年に厚生労働省の認可を受けており,角膜切開から線維柱帯切開術を行うことができる。Kahook Dual Bladeはシングルユースの隅角切開デバイスで,透明角膜からアプローチし,隅角鏡観察下で線維柱帯およびシュレム管内壁をストリップ状に切開する。また,前房とシュレム管内を交通させるデバイスとして,iStentは眼内からシュレム管内に挿入して房水流出を促す器具として12年にFDAに認可され,わが国でも白内障との同時手術として16年に厚生労働省の認可を受けた。

いずれのデバイスも安全・確実な眼圧下降効果が報告されており,濾過手術までを要しない緑内障患者にとって,点眼薬数を減らすことができるなど,福音になる術式と考えられる。

【参考】

▶ 本庄 恵:眼科手術. 2016;29(4):568-73.

【解説】

本庄 恵 東京大学眼科講師

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