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角膜ジストロフィの新分類【遺伝子情報を含むIC3D分類により疾患概念が再構築された】

No.4873 (2017年09月16日発行) P.55

吉田絢子 (東京大学眼科)

臼井智彦 (東京大学眼科准教授)

登録日: 2017-09-16

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角膜ジストロフィは,遺伝性,両眼性,進行性の角膜混濁をきたす疾患で,多くの種類が存在する。

角膜ジストロフィは歴史的に混濁の性状によって分類されてきたが,存在が疑わしい,他疾患と混同されている,誤解をまねきやすい名称がある,など,様々な問題点があった。近年,遺伝子解析の進歩により,単一遺伝子から複数のジストロフィが発生するものがあることや,逆に1つの疾患の原因遺伝子が複数にわたるものが確認された。たとえば,TGFBI遺伝子の点変異によるジストロフィは,RBCD,TBCD,顆粒状1型,顆粒状2型,格子状など,異なる臨床所見を呈する。

そのような背景から,2008年に発表されたIC3D(The International Committee for Classification of Corneal Dystrophies)分類では1),臨床所見,病理所見,遺伝情報を考慮した内容となっている。また,原因遺伝子のエビデンスレベルにより4つのカテゴリーわけがなされている。15年には,①上皮および上皮下,②TGFBI関連,③実質,④内皮,の項目に全22疾患を分類したedition 2が発表されている2)

IC3D分類は,既存の知識の整理や疾患理解のために重要なものであり,今後の角膜ジストロフィ研究発展への寄与が期待される。

【文献】

1) Weiss JS, et al:Cornea. 2008;27(Suppl 2):S1-83.

2) Weiss JS, et al:Cornea. 2015;34(2):117-59.

【解説】

吉田絢子*1,臼井智彦*2 *1東京大学眼科  *2同准教授

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