(愛知県 K)
高度救命救急センターや救命救急センターに限っては,急性薬毒物中毒患者の原因物質について,高速液体クロマトグラフ法もしくはガスクロマトグラフ法などの機器による精密分析,もしくは,それ以外の自動生化学分析機器などで分析を行い,薬毒物中毒であることが同定され,その結果に応じた治療を行った場合には,急性薬毒物中毒加算を算定することができます〔精密分析:急性薬毒物中毒加算1(5000点),それ以外の検査:急性薬毒物中毒加算2(350点)〕。しかし,イムノアッセイ法による尿中乱用薬物スクリーニングキットを用いた簡易定性分析については,たとえ救命救急センターであっても保険請求はできません。
こうした現状ではありますが,薬物依存症に対する専門治療の現場では,患者の実費自己負担,あるいは,医療機関側が負担するかたちで,尿中乱用薬物スクリーニングキットによる簡易定性分析を実施することがあります。
その際,臨床現場でよく用いられるのは,トライエージ(TriageⓇ-DOA)(覚せい剤,オピオイド系薬物,ベンゾジアゼピン,フェンサイクリジンをはじめとする8種の薬物成分を検出。販売元:シスメックス,単価は3250~4000円),モニテクト(MonitectⓇ)(覚せい剤と大麻を検出。販売元:ベリタス,単価1200円),アキュサイン(Accu SignⓇ)(様々な種類があり,それぞれ検出可能な薬物が異なるが,最も汎用されている製品では,覚せい剤,大麻,オピオイド,コカインの4種を検出できる。販売元:関東化学,単価2800円)などです。
残り648文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する