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偽造医薬品問題で、長期的な流通防止対策を議論【厚労省検討会】

登録日: 2017-10-20

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厚生労働省の「医療用医薬品の偽造品流通防止のための施策のあり方に関する検討会」(赤池昭紀座長)が19日に開催され、偽造医薬品流通防止のための長期的な対策について議論を開始した。

6月に公表された中間とりまとめでは、①国際的な医薬品の適正流通基準(GDP)ガイドラインに対応する国内ルール、②卸売販売業者の許可基準の見直しや薬局開設者と管理薬剤師の責任の所在、③封かん方法の適切な情報共有に関するルール作り、④医薬品の返品や不動在庫の課題解決に向けた一連のサプライチェーンの共通ルール策定、⑤製品のトレーサビリティを向上させるシリアルナンバーの導入―などについて検討の必要性を指摘している。

これを踏まえ同日の検討会では構成員が意見交換した。日本医師会の羽鳥裕常任理事は、②の責任の所在について「小さな薬局で不正が起きた場合でも、開設者を罰することが必要」と強調。薬剤師免許を持つ開設者については、免許停止や免許取り消しなどの処罰を求めた上で、薬剤師免許を持たない開設者の処罰の仕組みについて検討すべきと訴えた。

羽鳥氏はまた、④の不動在庫について、「たくさん買って利益率をあげたいと思うのは当然。何錠であっても値段を変えないくらいの発想がないと(不動在庫は)消えない」と指摘した。

厚労省はこれらの意見を整理し、来月の検討会で対策の方向性を示す予定。

羽鳥氏は、「買い取りはだめだと示すのもこの検討会では大事ではないか」と話した

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