厚生労働省の「特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会」は2日、地域医療支援病院の位置づけを巡り議論を開始した。
地域医療支援病院は1997年の医療法改正で創設。①紹介患者に対する医療の提供(かかりつけ医等への患者の逆紹介も含む)、②医療機器の共同利用の実施、③救急医療の提供、④地域の医療従事者に対する研修の実施─の4つの役割を担うとされる。昨年10月現在543病院が承認されている。
同日の会合で厚労省は、地域医療支援病院の承認状況(昨年10月現在)を提示。それによると、全国344の2次医療圏のうち、地域医療支援病院がない「空白医療圏」は111。空白医療圏の数が多かったのは、北海道(全21のうち15)、秋田県(全8のうち6)、愛媛県(全6のうち4)など、人口・医療資源が少ない過疎地域を多く抱える道県が目立った。
島崎謙治構成員(政策研究大学院大)は、地域医療支援病院の役割について「僻地への医師派遣なども役割として検討してはどうか」と提案。中川俊男構成員(日本医師会)は「空白医療圏がいくつあるかということが問題ではない」とし、地域医療構想との整合性を考慮して議論すべきと指摘した。
地域医療支援病院の位置づけに関しては、厚生労働科学研究班が都道府県による指定基準のバラツキなどの把握を進めている。厚労省は同研究の成果も踏まえて今後の検討を進める方針。