(愛知県 N)
2型糖尿病では心血管疾患(cardiovascular disease:CVD)の早期罹患と死亡リスクを高めるため,新規糖尿病治療薬にはCVDリスクを改善させる効果に関する試験まで求められるようになっています。
タイトな血糖コントロールを行った臨床試験の結果では,細小血管障害の発症・進展を改善するものの,CVDに対する効果はなかなか明確には得られていませんでした。ところが,SGLT2阻害薬エンパグリフロジン(empagliflozin)を用いた臨床試験EMPA-REG1)では,CVDと全死因死亡率ならびに心不全による入院に対する驚くべき改善効果が発表されたのです。さらに,それに続いて実施された,同効果薬カナグリフロジン(canagliflozin)を用いたCANVAS試験2)でもほぼ同様の結果が発表され,CVDに対するこの効果は,SGLT2阻害薬のクラス・エフェクトであると考えられるようになりました。
残り703文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する