各科の先生方には普段より救急業務へのご協力ありがとうございます。最近、救急領域ではpoint of care ultrasound(POCUS)という概念が急速に浸透しつつあることをご存知でしょうか。
超音波検査(エコー)と言えば検査室の中で技師さんが十分な時間をかけ、じっくりと各臓器を系統的に観察し、様々な計測を行うというイメージが強いと思います。一方でPOCUSとは医師が患者のそば、ベッドサイドで病歴や身体所見をもとに焦点を絞って、診断や治療に直結する所見のみを得るエコーのことを言います。詳細な計測を省き、必要な所見の有無のみを判断するため、短時間で(多くは5分以内)、誰でも(研修医を含む)、いつでも(24時間、365日)、どこでも(外来、病棟、集中治療室、手術室、在宅など)、そして繰り返し施行可能であるというメリットがあります。
その適応は解剖学的に眼球、肺、心臓、肝胆膵、腸管、泌尿生殖器、血管、神経、筋骨格、皮膚軟部組織と頭から足先まで全身におよびます。また呼吸困難やショックで来院された患者にはエコーが聴診器の代わりとなって診断、治療に大きく貢献してくれます。
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