【質問者】
藤田次郎 琉球大学大学院医学研究科感染症・呼吸器・消化器内科学講座(第一内科)教授/ 琉球大学医学部附属病院長
クラミドフィラ肺炎の診断にはmicro-immunofluorescence(MIF)法がゴールドスタンダードであることが知られていますが,施行可能な施設は限られていることから,肺炎クラミドフィラの検出頻度の差については,診断方法の差が大きいと考えています。
わが国においては,enzyme-linked immuno sorbent assay(ELISA)法による評価法が汎用されており,血清学的な診断に基づいたクラミドフィラ肺炎の過去の報告では,肺炎クラミドフィラは市中肺炎の主要な菌種であるとされてきました。
しかし,近年のより特異的な診断法であるDNA診断法(PCR法)などを用いた報告においては,わが国のクラミドフィラ肺炎の頻度は0.8~5.0%程度と報告されており,過去の報告よりもかなり低い数値です。これらの検出頻度についても本当に正しいかどうかは非常に悩ましい問題です。すなわち,肺炎クラミドフィラは上気道に常在しているため,上気道を経由して得られた検体による検討においては,真のクラミドフィラ肺炎の評価ができないのではないかと考えています。
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