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日本人高齢者の最期の場はどこか?【80歳以上高齢者の調査における看取りの場の中心は「病院」,自宅は1割程度】

No.4888 (2017年12月30日発行) P.66

伊藤美樹子 (滋賀医科大学公衆衛生看護学講座教授)

登録日: 2017-12-31

最終更新日: 2017-12-22

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  • 日本人の死亡場所の割合は,自宅,老人ホーム,グループホーム,病院それぞれどれくらいですか。本当に最期まで家で過ごして死亡する人の割合もわかればお願いします。

    (神奈川県 I)


    【回答】

    今回のご質問については,昨今,社会的な関心が高まっている高齢者医療に引き寄せ,80歳以上の高齢者に限定してお答えします。

    人口動態調査では,死亡場所を6つに整理しています。すなわち「病院」「診療所」「介護老人保健施設」「助産所」「老人ホーム」そして「自宅」です。「老人ホーム」には養護老人ホーム,軽費老人ホーム,特別養護老人ホームおよび有料老人ホームが含まれます。また「自宅」には,自分の家のほかに,グループホームやサービス付き高齢者向け住宅が含まれています。

    (1)2001年以降の「病院」と「自宅」での死亡者数の動向
    ここでは80歳以上の高齢者について,「病院」と「自宅」の死亡者数に着目して動向を見てみましょう。「病院」での死亡者の割合は,2001~15年の間は72.8~78.5%と高い水準で推移し,またその数は高齢者人口の増加に伴って,01年の32万3000人から15年の57万6000人へと1.78倍に増加しています(図1)。つまり,看取りの場の中心は「病院」だと言えます。



    一方,「自宅」での死亡者は,01年の6万7000人から15年の8万4000人と1.25倍の増加にとどまり,その割合は,小幅ながら01年の15.6%から減少の一途をたどり,15年には10.6%までに低下しています。つまり80歳以上の死亡者のうち,グループホームやサービス付き高齢者向け住宅を含めた「自宅」で死亡したのは,10人に1人というのが現状です。

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