厚生労働省健康局の福田祐典局長は18日、供給が不安定な状態が続いていた日本脳炎ワクチンについて、化学及血清療法研究所(化血研)がワクチンの出荷を再開したことを受け、「定期接種に使用する分は、今後も全国的な不足は生じない見込みとなった」と述べた。同日開かれた自治体担当者向けの会議で説明した。
化血研は2016年4月の熊本地震で設備が被災し、乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン「エンセバック皮下注用」の生産を一時停止した。その後、生産を再開し、安定供給は可能としていたが、北海道における日本脳炎ワクチンの定期接種化などの影響で需要が想定を上回り、17年5月に「販売会社の在庫消尽をもって一定期間ワクチンを供給できなくなる」としていた。
福田氏は自治体担当者に対し、卸売販売業者、医療機関等と連携し、在庫状況の把握を含む情報収集と定期接種対象者への情報提供を実施するよう求めた。
なお、化血研は15日、出荷されたエンセバックのうち製造番号「E071K」の製品について、安定性モニタリングの結果、力価が有効期間内に承認規格を下回る可能性が否定できないとして、自主回収すると発表している。原因は調査中としつつ、熊本地震の影響で「有効期間内であるものの通常よりも長期間保存した原液を使用していることが一因」との見解を示している。安全性に影響があったとの報告はないという。