株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

(3)心原性失神:器質的心疾患の特徴と診断・治療 [特集:心原性失神の対応マニュアル]

No.4802 (2016年05月07日発行) P.44

西﨑光弘 (横浜南共済病院副院長/循環器内科部長)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-01-26

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • next
  • 器質的心疾患による失神の発症は突然死の危険因子となるため,早急に原因疾患を診断し,治療することが必要である

    失神の原因疾患の解明には,初診時の詳細な病歴聴取を含め,適切な初期評価を行うことが重要である

    各疾患の鑑別に有用な検査を適切に行うことにより,診断が可能となり,早期治療につながる

    1. 失神をきたす器質的心疾患

    失神の原因疾患としては,非心原性の頻度が高く,反射性(神経調節性)失神や起立性低血圧を示す例が多く認められる。一方,心原性失神の頻度は低く,10%程度とされており,特に日常診療において器質的心疾患や心肺疾患による失神例に遭遇する頻度は低いと考えられる。しかし,これらの疾患における失神の発症は突然死の危険因子となるため,早急に原因疾患を診断し,治療することが必要である。
    表1に示すごとく,失神の原因となる器質的心疾患や心肺疾患には,①閉塞性心弁膜疾患,②急性心筋梗塞(虚血),冠攣縮性狭心症,③肥大型心筋症,④心房粘液腫,⑤急性大動脈解離,⑥心膜疾患,心タンポナーデ,⑦肺塞栓,肺高血圧などが挙げられる1)~4)。本稿では,特に日常臨床で遭遇する失神をきたす器質的心疾患の特徴と対応について,診断的アプローチを含めて解説する。

    残り7,417文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    公立小浜温泉病院

    勤務形態: 常勤
    募集科目: 消化器内科 2名、呼吸器内科・循環器内科・腎臓内科(泌尿器科)・消化器外科 各1名
    勤務地: 長崎県雲仙市

    公立小浜温泉病院は、国より移譲を受けて、雲仙市と南島原市で組織する雲仙・南島原保健組合(一部事務組合)が開設する公設民営病院です。
    現在、指定管理者制度により医療法人社団 苑田会様へ病院の管理運営を行っていただいております。
    2020年3月に新築移転し、2021年4月に病院名を公立新小浜病院から「公立小浜温泉病院」に変更しました。
    6階建で波穏やかな橘湾の眺望を望むデイルームを配置し、夕日が橘湾に沈む様子はすばらしいロケーションとなっております。

    当病院は島原半島の二次救急医療中核病院として地域医療を支える充実した病院を目指し、BCR等手術室の整備を行いました。医療から介護までの医療設備等環境は整いました。
    2022年4月1日より脳神経外科及び一般外科医の先生に常勤医師として勤務していただくことになりました。消化器内科医、呼吸器内科医、循環器内科医及び外科部門で消化器外科医、整形外科医の先生に常勤医師として勤務していただき地域に信頼される病院を目指し歩んでいただける先生をお待ちしております。
    又、地域から強い要望がありました透析業務を2020年4月から開始いたしました。透析数25床の能力を有しています。15床から開始いたしましたが、近隣から増床の要望がありお応えしたいと考えますが、そのためには腎臓内科(泌尿器科)医の先生の勤務が必要不可欠です。お待ちいたしております。

    ●人口(島原半島二次医療圏の雲仙市、南島原市、島原市):126,764人(令和2年国勢調査)
    今後はさらに、少子高齢化に対応した訪問看護、訪問介護、訪問診療体制が求められています。又、地域の特色を生かした温泉療法(古くから湯治場として有名で、泉質は塩泉で温泉熱量は日本一)を取り入れてリハビリ療法を充実させた病院を構築していきたいと考えています。

    もっと見る

    関連物件情報

    もっと見る

    page top