遺伝学的検査を消費者に販売する、いわゆる「遺伝子検査ビジネス」の現状に警鐘を鳴らす北里大の高田史男氏(臨床遺伝医学教授)に、今後の遺伝学的検査のあり方について話を聞いた。
遺伝子検査ビジネスの多くは、癌や生活習慣病など、遺伝因子に加えて環境因子が関与する多因子疾患の発症リスクや体質傾向の検査を販売しています。しかし遺伝学的検査で分かる遺伝子多型によって多因子疾患の発症予測を行うには未解明の部分が多く、現在は研究段階にあります。にもかかわらず、こうした遺伝子検査ビジネスが何の規制もなく、無秩序に販売されている実態が明らかとなりました。
遺伝学的検査を評価する際には、「分析的妥当性」「臨床的妥当性」「臨床的有用性」(注)と、「倫理的・法的・社会的課題」を検討することが世界的に提唱されています。この評価基準は、それぞれの英表記の頭文字をとって「ACCE」と呼ばれています。