厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会」医師需給分科会(片峰茂座長)は23日、医学部定員の臨時増が2019年度で期限切れになることを踏まえ、20年度以降の定員を巡る議論を開始した。医学部受験生に及ぼす影響を考慮し、同省は20年度から1~2年分の定員については5月をメドに結論を得たい考え。
定員の決定に当たっては、厚労省が将来にわたる医師の需給推計を示す。需給推計については、2016年に同省が1度示しており、これに基づき臨時増の措置を19年度まで暫定的に延長することが決められた。
今回の需給推計は、地域ごとの病床機能別の必要医師数などを基に算出した前回の手法を踏襲しつつ、最新データを用いて精緻化する。女性医師、高齢医師等の仕事量は性・年齢階級別に細かく推計。医師の労働時間については時間外労働の上限を3パターンに場合分けし、他職種への業務移管による縮減も織り込む。
ただ、医師需給への影響が必至となる医師偏在是正策に関しては、医療法・医師法改正案がまだ国会審議に至っておらず、働き方改革の検討も現在進行中だ。このため、複数の構成員が未知数の前提の多さに疑問を呈した。厚労省も、中長期的な定員の増減の方向性を5月までに決めるのは難しいとの認識を示している。