島根県全域の医療ネットワーク「まめネット」では、電子カルテで作成した訪問看護指示書(写真1)をHPKI(Healthcare Public Key Infrastructure:保健医療福祉分野の公開鍵基盤電子証明書)で認証し、訪問看護ステーションに送付できるようになりました(写真2) 。島根県では他にも紹介状をすでにHPKIで運用しています。
導入以前は医療機関のパソコンで書類を作成し、印刷、捺印し、手渡しか郵送によって訪問看護ステーションに届けていました。訪問看護ステーションにリアルタイムで送付可能となったことにより、原本指示書をもとに患者さんのご自宅へケアに行っていただくまでのタイムロスがなくなりました。一見単純なペーパーレス化ですが、医療の情報セキュリティには様々なハードルがあるのでこれまで実現できませんでした。使用してみると即時かつ正確なので良いシステムです。
同様に、電子処方箋が登場し医療機関から調剤薬局へ正本の処方箋が送付されるシステムが運用されるようになれば、患者さんの利便性は増すと思います。しかしながら、 規則上地域のすべての薬局で電子処方箋が受け取れる体制を整えないと運用ができません。技術的には可能ですが、普及までしばらく時間がかかりそうです。