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jmedmook26 あなたも名医!「うつ状態」を知る・診る おや?もしや?おかしいな?と思ったら

“何となく変だな”と感じたら「うつ状態」を確認することが見逃さないコツ!

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著: 五十嵐良雄(メディカルケア虎ノ門院長)
判型: B5判
頁数: 176頁
装丁: カラー
発行日: 2013年06月25日
ISBN: 978-4-7849-6426-0
付録: -

 €「うつ」とは精神医学的には「抑うつ状態」あるいは「うつ状態」を指しますが,一般のクリニックにも「うつ状態」の患者さんが必ず来院していると常に考えて対応することが大切です。“何となく変だな”と感じたら「うつ状態」を確認することが見逃さないコツ!€

身体疾患の裏に潜む「うつ状態」をジェネラリストはどう診たらよいか?精神科医へ紹介するタイミングは?等々,明日の診療から役立つ最新情報が満載!
診療科: 精神科 精神科
シリーズ: jmedmook

目次

第1章 精神科医の「うつ状態」の診立て方を知っておこう !\

01 「うつ状態」とは?
02 どのようにして「うつ状態」を疑えばよいか?
03 「うつ状態」でみられる身体症状と頻度
04 「うつ状態」を点数化する道具
05 「うつ状態」を呈する身体疾患
06 操作的診断と従来診断の違い
07 国際疾病分類の中での「うつ状態」
08 「うつ状態」を示す精神疾患
09 「うつ状態」に対する検査
10 ジェネラリストが専門医に紹介するタイミング
第2章 押さえておきたい身体疾患等による「うつ状態」
11 身体疾患を持つ人の「うつ状態」
12 がんに伴う「うつ状態」
13 脳血管障害・パーキンソン病と「うつ状態」─高齢者を中心に
14 認知症と「うつ状態」─高齢者を中心に
15 薬剤による「うつ状態」─①インターフェロンによる「うつ状態」を中心に
16 薬剤による「うつ状態」─②ステロイドなどによる「うつ状態」
第3章 押さえておきたい精神疾患に伴う「うつ状態」
17 社会と精神疾患
18 従来型と現代風なうつ病
19 双極性障害─①双極Ⅰ型障害とⅡ型障害との違い
20 双極性障害─②双極Ⅱ型障害の症例を中心に
21 不安障害に伴う「うつ状態」
22 ビジネスマンに多い職場結合性気分障害
23 高機能発達障害と「うつ状態」
24 統合失調症の「うつ状態」
第4章 押さえておきたい職場・学校・家庭における「うつ状態」
25 「うつ状態」へのメンタルヘルス対策
26 「うつ状態」の職場復帰支援─①休職?復職可否の判断
27 「うつ状態」の職場復帰支援─②復職時および復職後の注意点
28 「うつ状態」の職場復帰支援─③気分障害以外の精神疾患の復職支援の注意点
29 労災と「うつ状態」
30 児童青年期の「うつ状態」
31 女性や主婦の「うつ状態」
32 「うつ状態」への家族の役割と対応
第5章 「うつ状態」の治療はどうする?
33 休職中の過ごし方と生活指導
34 「うつ状態」の薬物療法
35 「うつ状態」の心理療法
36 その他の治療法
37 精神科の外来治療と入院治療
38 再燃と再発,いつまで治療を行うのか?
39 医師自身のストレスケア─「うつ状態」にならないために
Column
1 精神科医とはどのような医師? ─心療内科との違い
2 自殺の危険率,自傷行為と過量服薬
3 生体リズムとその障害
4 離脱症候群(withdrawal syndrome)
Topics
1 DSM-5,ICD-11について
2 地域連携パスの利用
3 うつ病の社会的コスト
4 「うつ病リワーク研究会」
5 activation syndromeと抗うつ薬投与

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序文

€巻頭言
一般科の先生方にメンタル疾患を理解して頂くため,耳慣れない「うつ状態」ということを正面から取り上げ,様々な面からアプローチすることを試みました。専門的に治療に関わっている精神科医なり心療内科医の精神疾患に対する考え方,診断のプロセスを知って頂くことが,一般科の先生方に役立つと考えたからです。
私たちは,内科のように検査をすることはほとんどなく,また,外科のように直接患部に対して治療を加えるわけでもありません。患者の話を聞いて診断を行い,治療をします。きわめてあいまいな患者の主観を交えた症状の陳述と,それを語る患者の仕草や表情などから,精神疾患であるかどうかを判断し,治療の必要性と方向性を定めます。「なんと,あやふやな世界で診療をしているのであろうか!」とお考えになるのも無理からぬことと思います。
どの診療科でも, 実際の診療での経験はきわめて大事な要素であると思いますが,私たち精神科医も同様です。自分が診療した患者の記録は診療録に残っていますが,患者の顔をみればカルテを見ずとも,その患者の症状やエピソード,効果のあった薬などが頭によみがえってきます。この積み重ねのおかげか,37年も同じことをやっていると,おのずとそうなります。したがって,私たちは多くの患者を診て,その治療経験の中から診療上に役立つ患者の診立てや薬剤の選択を行っているのだと思います。
私は精神科医としての1/3の期間を大学病院で研修と診療で過ごし,その後の1/3を精神科病院で主に統合失調症や認知症の診療を中心に,残りの1/3の期間はうつ病や躁うつ病などの気分障害と不安障害の診断治療を行い現在に至っています。バランスとしては悪くない臨床経験と考えておりますが, この10年ほどは職場のメンタルヘルスが主要な領域となってきました。メンタルクリニックでの診療は週3日ですが,週2日は精神科産業医や顧問医として企業の側から精神疾患をみております。複数の立場から1つの疾患をみると,その実像がみえてきます。また,時代の変化を企業にも感じます。
€そのような経験も踏まえて,私なりに感じ経験した事柄のうち,プライマリケアあるいは一般科で診療されている先生方に役立てて頂ける点を中心に,本書をまとめてみました。「うつ状態」が疑われる患者さんが来院した際に,少しでも本書がお役に立てば幸いです。

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