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膠原病診療ノート<第4版>【電子版付】

あの「膠原病診療ノート」が6年ぶりに改訂!

定価:6,490円
(本体5,900円+税)

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著: 三森明夫(としま町クリニック院長)
判型: B5判
頁数: 658頁
装丁: 単色
発行日: 2019年03月25日
ISBN: 978-4-7849-5345-5
版数: 第4版
付録: 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます)

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  • 初版から20年。膠原病診療の王道を示し、圧倒的支持を受けるロングセラーが6年ぶりに改訂されました!
  • 今回の改訂では特に成人発症Still病、関節リウマチ/TAの肺障害、リウマチ性多発筋痛症とRS3PEの項目を大幅に追記。
  • その他の項目でも旧版以降の新薬やガイドラインを踏まえてアップデート!
  • 最新・最先端の知見を踏まえた実践的治療のノウハウを余すところなく記述しました。
  • 病態の推移に対応し、的確な治療を選択していく上でポイントとなる事項を網羅しつつ、きわめて簡潔に要点をまとめています。
  • 膠原病以外の疾患との鑑別にも意を尽くした内容で、内科書としても一級品です。

【章立て】
0章 炎症性疾患の初期診療
1章 疾患単位を越えた膠原病の諸病態
2章 ステロイド薬と他の免疫抑制薬
3章 全身性エリテマトーデス(SLE)
4章 抗リン脂質抗体症候群(APS)
5章 血球貪食症候群(HPS)
6章 自己免疫性の肝疾患と,IgG4関連疾患
7章 Sjögren症候群
8章 多発性筋炎,皮膚筋炎
9章 強皮症(全身性強皮症/SSc)
10章 混合性結合組織病(MCTD)
11章 血管炎症候群
12章 リウマチ性多発筋痛症とRS3PE(PMR&RS3PE)
13章 好酸球増多症と好酸球増多症候群(HES)
14章 Behçet病
15章 サルコイドーシス
16章 関節リウマチ
17章 若年性特発性関節炎(JIA)
18章 成人発症Still病(AOSD)
19章 脊椎関節炎(SpA)
20章 その他の関節症,および痛風
21章 日和見感染症
22章 終 章

目次

0章 炎症性疾患の初期診療
1.膠原病科に入院する膠原病と非膠原病:炎症性疾患の診断法
2.抗核抗体/antinuclear antibodies(ANA),自己抗体
3.熱と炎症反応

1章 疾患単位を越えた膠原病の諸病態
1.間質性肺炎(interstitial pneumonia,IP)
2.肺高血圧症(pulmonary hypertension,PH)
3.Raynaud現象,皮疹
4.皮膚の血管病変の分類と,皮膚潰瘍の治療
5.膠原病科でみる腎病態と,RPGN

2章 ステロイド薬と他の免疫抑制薬
1.副腎ステロイド(glucocorticoid)
2.免疫抑制薬
3.血漿浄化法(plasmapheresis)
4.γグロブリン大量静注療法(IVIG)

3章 全身性エリテマトーデス(SLE)
1.SLEの診断,抗核抗体の解釈
2.SLEの経過と治療計画
3.皮膚病変と日光過敏
4.心病変と肺高血圧症.
5.肺病変
6.消化器病変
7.ループス膀胱炎(lupus cystitis)
8.血算異常
9. TTPまたはthrombotic microangiopathy(微小血管症性溶血性貧血+
消費性血小板減少
10.ループス腎炎
11.神経精神/neuropsychiatric(NP)SLE
12.眼病変
13.SLE患者が妊娠したときの問題
14.新生児ループス(neonatal lupus syndrome)

4章 抗リン脂質抗体症候群(APS)
1.抗リン脂質抗体/APの生理学
2.APSの臨床
3.血栓症一般の危険予測に関する考察(APSに限らない一般論)

5章 血球貪食症候群(HPS)
1.HPSの分類
2.成人HPSの診断と鑑別法
3.HPSの病態生理
4.治 療

6章 自己免疫性の肝疾患と,IgG4関連疾患
1.自己免疫性肝炎(AIH)
2.原発性胆汁性肝硬変(PBC)
3.IgG4関連疾患(IgG4-related disease)

7章 Sjögren症候群

8章 多発性筋炎,皮膚筋炎
1.多発性筋炎/PM,皮膚筋炎/DMの初期診療
2.筋の異常所見を示す鑑別一覧
3.皮膚筋炎の皮膚所見
4.特発性筋炎の分類概念
5.PMとDMの診断基準
6.治療開始時の脱力とCK値の評価
7.全身合併症の評価
8.PM,DMの治療
9.PM,DMと悪性腫瘍の関係

9章 強皮症(全身性強皮症/SSc)
1.初期診療に必要な総論とSScの分類
2.SScの診断と鑑別
3.SScの病態各論と評価法(皮膚硬化,肺線維症,肺高血圧症,消化器病変,
強皮症腎,その他の問題)
4.皮膚硬化の治療
5.臓器病態に応じた治療薬

10章 混合性結合組織病(MCTD)

11章 血管炎症候群
1.血管炎の分類名と総論
2.ANCA関連血管炎と古典的PNの病像
3.高安動脈炎
4.Cogan症候群(大動脈炎,または中小動脈炎を合併することがある耳鼻科疾患)
5.巨細胞性動脈炎(GCA)
6.Buerger病(thromboangiitis obliterans)
7.クリオグロブリン血症(cryoglobulinemia)
8.IgA血管炎

12章 リウマチ性多発筋痛症とRS3PE(PMR&RS3PE)

13章 好酸球増多症と好酸球増多症候群(HES)
1.末血eosinophiliaの原因一覧
2.HESの治療

14章 Behçet病
1.診断の方法
2.臨床所見の各論
3.特殊型Behçet(遅発する特殊病態)
4.治 療
5.鑑別疾患;ぶどう膜炎の原因,様々な結節性紅斑,Sweet病

15章 サルコイドーシス

16章 関節リウマチ
1.抗CCP抗体とリウマトイド因子(rheumatoid factor,RF)
2.分類基準(classification criteria)または診断基準
3.RAと鑑別を要する疾患の一覧
4.RA関節炎の診察像と画像
5.関節炎の活動性評価法
6.RA関節炎の薬物治療
7.RA患者に生じる肺障害
8.肺以外の内臓合併症
9.Felty症候群
10.RAの血管炎(悪性関節リウマチ)
11.薬以外のRA治療(白血球除去カラムなど)

17章 若年性特発性関節炎(JIA)
1.小児の特発性関節炎の分類
2.多関節型,少数関節型JIAの治療

18章 成人発症Still病(AOSD)
1.Still病の診断と臨床像
2.Still病の治療

19章 脊椎関節炎(SpA)

20章 その他の関節症,および痛風

21章 日和見感染症
1.総 論
2.膠原病科における日和見感染症の各論

22章 終 章

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序文

4版 まえがき

本改訂版で,大幅に追記したのは,成人発症Still病(18 章),関節リウマチ/RAの肺障害(16章の7),リウマチ性多発筋痛症とRS3PE(12章)である.これら3項目のいずれにも,岩手県立中央病院腎臓リウマチ科での自験集計を呈示して考察を加えた. とくに強いメッセージを込めたのは,成人発症Still病の治療法(ステロイドとtocilizumabの使い方)である.未知の方法を探るには,前向き研究では無理であり観察に頼るほかない.かつての自施設病歴コピー(自治医大,国立国際医療研究センター)も今回改めて読み直して適正方針を分析し,趣旨が読者に伝わるように推敲を重ねた.
炎症性疾患の診断法(0章の1)では,細菌感染症であるか否かの判別が(救命的な意味で)重点課題である.研修医達は一般に感染症に関心が高いが,不明熱への対処法(菌陰性のときに感染症の可能性を追求する方法)は盲点になっていることが,現場にいるとわかる.膠原病科の視点(消去法により感染と推定すること)が役立つと思われるのだが,旧版では記述が簡略すぎたので,実例,集計,論理を入念に配置して推敲した.
上記以外の改訂部分は(旧版2013年以後の)情報をアップデイトした小規模な追記である.例えばRAの関節炎治療(16章の6)では,新薬やガイドライン(日本リウマチ学会2014年,ACR2015年,EULAR2016年)を追記した.SLE(3章)では,従来のACR分類基準が少し修正され,ACR/EULARの2017年版で点数付け方式になった.治療方針に関するEULAR/2014年推奨も報告されたが,近年のSLE治療には画期的進歩が未だない.血管炎(11章)も,疾患名や概念における用語を整理したのみで,改訂の余地が少なかった.岩手の腎臓リウマチ科で筆者が改めて実感したのは,本邦のANCA関連血管炎の多くが腎臓内科で診療され,高齢者に強い免疫抑制をかけない方針が採られてきた実情と,その良好な治療成績である.それらのデータに基づく治療指針は,本書で述べることではなく,専門委員会が大規模集計結果を分析中なので,いずれ本邦独自の指針が出ると期待している. 他の章でも細かいアップデイト(原発性胆汁性肝硬変が2016年に原発性胆汁性胆管炎に変更された,など)は可能な限り行った.

2019年2月
三森明夫

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