従業員がいる飲食店では原則屋内禁煙とする東京都の受動喫煙防止条例が27日、都議会本会議で可決・成立した。政府が国会に提出している健康増進法改正案よりも厳しい内容を盛り込んだ。年内から段階的に施行し、東京オリンピック・パラリンピック開催前の2020年4月に全面施行する。
国の法案では、個人・中小企業による面積100㎡以下の飲食店は規制対象外としている。これに対し都の条例では、面積にかかわらず、従業員がいる飲食店では原則屋内禁煙(喫煙専用室設置可)とした(表)。従業員がいない飲食店では、事業者が禁煙か喫煙か選択する。
医療機関、児童福祉施設、行政機関などは国の法案と同様、屋外喫煙場所の設置を認める「敷地内禁煙」。一方、幼稚園・保育所・小学校・中学校・高校では法案より厳しく規制し、屋外喫煙場所の設置は認めないとした。
加熱式たばこについては、飲食可能な専用喫煙室での喫煙が可能となった。4月に公表した骨子案では紙巻きたばこと同じ基準で規制するとしていたが、国の法案と整合性を図った形となった。
受動喫煙防止対策を巡っては、大阪府でも4月に松井一郎知事が国の法案より厳しい条例を定める意向を示すなど、さまざまな地域で機運が高まっている。都の条例制定は他自治体に影響を与えることが期待されるため、今後、全国各地で条例制定の流れが加速しそうだ。