【質問者】
仲川孝彦 奈良県立医科大学未来基礎医学教室研究教授
急性腎不全を早期に診断することで,急性腎不全の重症化を防ぎ,回復を促進することができると期待されます。そのような観点から急性腎不全の早期の病態に対して急性腎障害という用語が提唱され,2004年にRIFLE基準,2007年にAKIネットワーク基準,2012年にKDIGO基準などが論文化され,国際的に統一された診断基準が用いられるようになってきました。その結果,多くの臨床研究の比較や統合が可能となり,急性腎障害の研究が盛んになりました。
また,これと時期を同じくして,腎尿細管障害に反応して増加する尿バイオマーカーが続々と同定されました。これらは急性腎障害の新規バイオマーカーと呼ばれるようになり,急性腎不全の早期診断のみならず,「急性腎障害」の早期診断をも可能にすることがわかり,臨床的有用性が期待されています。
残り1,158文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する