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急性腎障害の早期診断と治療方針【早期診断のために尿中新規バイオマーカー,治療薬としてカルペリチドに着目】

No.4915 (2018年07月07日発行) P.56

仲川孝彦 (奈良県立医科大学未来基礎医学教室研究教授)

森 潔 (静岡県立総合病院腎臓研究科部長/静岡県立大学薬学部分子臨床薬理学特任教授)

登録日: 2018-07-09

最終更新日: 2018-07-03

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  • 最近,急性腎障害の重要性が再認識されてきています。この疾患をより早期に診断することは可能でしょうか。また,早期に診断できたら治療方針は変わるでしょうか。静岡県立総合病院・森 潔先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    仲川孝彦 奈良県立医科大学未来基礎医学教室研究教授


    【回答】

    急性腎不全を早期に診断することで,急性腎不全の重症化を防ぎ,回復を促進することができると期待されます。そのような観点から急性腎不全の早期の病態に対して急性腎障害という用語が提唱され,2004年にRIFLE基準,2007年にAKIネットワーク基準,2012年にKDIGO基準などが論文化され,国際的に統一された診断基準が用いられるようになってきました。その結果,多くの臨床研究の比較や統合が可能となり,急性腎障害の研究が盛んになりました。

    また,これと時期を同じくして,腎尿細管障害に反応して増加する尿バイオマーカーが続々と同定されました。これらは急性腎障害の新規バイオマーカーと呼ばれるようになり,急性腎不全の早期診断のみならず,「急性腎障害」の早期診断をも可能にすることがわかり,臨床的有用性が期待されています。

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