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経尿道的尿管砕石術(TUL)のトレーニング【シミュレーションベースのトレーニングを取り入れ,前臨床でマスターすることが理想】

No.4919 (2018年08月04日発行) P.54

濱本周造 (名古屋市立大学大学院医学研究科腎・ 泌尿器科学分野講師)

井上貴昭 (関西医科大学腎泌尿器外科学講座)

登録日: 2018-08-03

最終更新日: 2018-07-31

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  • 内視鏡機器の進歩とともに,尿路結石に対する外科的治療の中心は,体外衝撃波結石破砕術(extracorporeal shock wave lithotripsy:ESWL)から,軟性尿管鏡を用いた経尿道的尿管砕石術(transurethral ureterolithotripsy:TUL)へ変わろうとしています。それに伴い,若い臨床医が担当する症例も増えてきていると思います。そこで,誰もが安全に軟性尿管鏡を扱えるようになるためのトレーニングについて,関西医科大学・井上貴昭先生にご教示をお願いします。

    【質問者】

    濱本周造 名古屋市立大学大学院医学研究科腎・ 泌尿器科学分野講師


    【回答】

    近年の内視鏡技術の進歩は凄まじく,これらは上部尿路結石治療をより非侵襲的な方向へと導いています。特に軟性腎盂尿管鏡の登場により,腎結石に対する治療の適応も広がりを見せています。しかし,一歩間違えば安全性が損なわれ大きな合併症につながる可能性もあり,これら尿管鏡を巧みに扱う技術教育は,安全性,普遍性を保つために必要です。上部尿路結石,特に腎結石における軟性腎盂尿管鏡を用いた尿路内視鏡手術にとって大切なことは,軟性腎盂尿管鏡の基本操作と術野の展開をスムーズにするための環境セッティングです。ここでは内視鏡の操作に焦点を当てます。

    手術の成功と安全性を担うために必要なのが,軟性腎盂尿管鏡の操作です。不適切な操作は時に尿管鏡の安易な破損の原因にもつながるため,軟性腎盂尿管鏡の特性を知り,その操作方法の基礎を学ぶことがflexible transurethral ureterolitho­tripsy(fTUL)を行う泌尿器科医師にとってまず必要なことでしょう1)

    軟性腎盂尿管鏡の操作のポイントは,①尿管鏡を強く握らず,手のひらに乗せるように軽く把持すること,②尿管鏡の直線化を維持すること,③尿管鏡を大きく振らず,小さな動きで最大限の効果を先端に伝えること,そして④優しいup-downレバーの操作です。

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