厚生労働省の「非感染性疾患対策に資する循環器病の診療情報の活用の在り方に関する検討会」(永井良三座長)は21日、新たに構築する循環器病(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、急性心筋梗塞、大動脈解離、心不全)のデータベースについて、急性期医療や公衆衛生に活用するとの意見で一致した。
昨年成立した「脳卒中・循環器病対策基本法」では、「情報の収集提供体制の整備」が盛り込まれた。循環器病はがんに次ぐ死亡原因で、医療費に占める割合が最多であることから対策が求められているが、正確な患者数や治療内容を把握するためのデータベースは存在していない。
こうしたことを踏まえ厚労省は同日の検討会で、横断的に診療情報を収集し、急性期医療や公衆衛生に活用するとの考えを提案した。将来的には慢性期の診療にも活用できるよう縦断的な情報の把握を目指す。データ登録の対象は、まずは日本循環器学会指定の研修施設などとする方針。具体的な項目については、今後、関係学会と相談するとしている。
データベースが構築されれば、急性期医療の提供体制の整備のみならず、求められる専門医の養成数、都道府県間の診療情報の比較などに役立つことが期待できるという。