公立福生病院(東京都福生市)で44歳の腎臓病の女性患者が人工透析治療を止める選択肢を示され、中止を選び死亡したと毎日新聞で報じられた問題で、日本透析医学会(理事長:中元秀友 埼玉医大教授)は7日、「日本透析医学会としても大変に重要な案件と考えている」とのコメントを発表し、同日、調査委員会(委員長:土谷健 東京女子医大教授)を立ち上げたことをホームページで公表した。今後、病院への立ち入り調査を行い、その報告に基づき外部委員を入れた倫理委員会で審議した上で正式な見解を報告するとしている。
あわせて、2014年に同学会が発表した『維持血液透析の開始と継続に関する意思決定プロセスについての提言』に関しても学術委員会、倫理委員会を中心に検討するよう指示をしているとする。
8日には福生病院が、病院組合管理者である加藤育男市長、松山健院長の名前でコメントを発表した。コメント全文は以下の通り。
公立福生病院を受診された患者が、血液透析を受けないことを希望され、当院で亡くなったとの新聞記事が大きく報道されております。
血液透析を受けておられる方々でも、単に腎臓だけ悪い方、腎臓も他の臓器も悪い方など様々でございます。日常的な透析医療の辛さも、当然様々な状況に置かれていると考えています。
今回、腎センターの現場では、多職種で対応し、家族を含めた話し合いが行われ、その記録も残されております。密室的環境で独断専行した事実はございません。また、当院で悪意や手抜きや医療過誤があった事実もございません。
本件に関しましては、東京都福祉保健局の立入検査が行われ、また、近々、日本透析医学会の調査も予定されております。こうした第三者機関の調査結果等も待ちつつ、早急な事実関係の把握に努め、適正に対応してまいります。