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■NEWS 論文著者に悪影響、“ハゲタカ雑誌”への投稿回避を喚起―日本医学会など

No.4952 (2019年03月23日発行) P.18

登録日: 2019-03-13

最終更新日: 2019-03-13

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日本医学会(門田守人会長)と日本医学雑誌編集者組織委員会(北村聖委員長)は8日付で、掲載料収入のみを目的として粗雑な審査で論文を掲載する「悪徳雑誌」(predatory journal)への投稿を控えるよう、医学会に加盟する129学会に対し文書で注意喚起を行った。オープンアクセスジャーナルの普及に伴って増加する悪徳雑誌を「学術雑誌への信頼を低下させるもの」と批判した上で、投稿の回避方法を示している。

悪徳雑誌は“ハゲタカ雑誌”や“捕食雑誌”とも呼ばれ、その特徴として、▶ジャーナル名を有名誌に似せる、▶論文掲載加工料や編集・出版方針を明確に公表しない、▶十分な査読過程を経ないまま、ほぼ全ての投稿論文を掲載し、著者に掲載加工料を請求する―などが挙げられる。

注意喚起の文書では、悪徳雑誌からの「投稿後迅速に出版される」といった誘い文句を鵜呑みにして投稿すると、想定より高額な論文掲載加工料を請求されたり、掲載論文の著者や所属機関が否定的な印象を持たれるなどの悪影響を受ける恐れがあると警告。投稿誌を選ぶ際のチェック項目を示し、全体的に評価するよう求めている。

主なチェック項目は、①そのジャーナルの掲載論文を以前に読んだことがあるか、②出版社に連絡が取れるか、③査読過程が明白か、④掲載料の内容と、どの段階で請求されるかについて説明があるか、⑤編集委員会が設置されているか―など。「MEDLINE」などのデータベースや「Directory of Open Access Journals」のリストに収録されているかどうかも、悪徳雑誌を見破るポイントとして紹介している。

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