100の外科系学会で構成する外科系学会社会保険委員会連合(外保連)の会長を務める。岩中さんは各学会の意見を取りまとめる手術委員長も経験し、手術料を定量的に評価する『外保連試案』の精緻化に努めてきた。「『私たちの手術は難しいE群だ』と主張する学会もありましたが、『いつまでも標準化できないのは研修能力がないと言っているに等しい』と応酬し、激しい議論になりました。しかし、科学的根拠に基づく数値を掲載していこうという流れが6年前くらいからできてきた」と振り返る。
ところが2014年度診療報酬改定では、技術の標準化に伴う手術時間の短縮を反映させた結果、帝王切開術など80以上の手術で評価が引き下げられる事態が起きた。そこで新評価軸として「2つの命を同時に扱う手術」「緊急度」など5項目を提案。「大変なので加算を何%つけてほしい、という主張は根拠がありません。従来の試案のスタンスは崩さず『手術の背景を斟酌してほしい』という形で提示したところ、一定の評価をいただきました」
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