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軽度の好中球減少を認めた場合の対応は?

No.4954 (2019年04月06日発行) P.51

藤原 亨 (東北大学大学院医学系研究科血液免疫病学分野講師)

小原 直 (筑波大学附属病院血液内科准教授)

登録日: 2019-04-06

最終更新日: 2019-04-02

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  • 基礎疾患のはっきりしない症例で,軽度の好中球減少を認めることを日常診療の中でしばしば経験します。このような症例に対する,検査を含めた診療の進め方のポイントについて,筑波大学・小原 直先生のご教示をお願いします。

    【質問者】

    藤原 亨 東北大学大学院医学系研究科血液免疫病学分野講師


    【回答】

    【軽症例でも比較的軽微な感染症の頻度は健常人と比較して多い傾向で,大多数は内服抗菌薬で対処可能】

    健診や人間ドックの普及により,軽度に好中球が減少しているため血液内科に紹介されることも多く,日常診療において,軽度の好中球減少は高頻度で観察される検査異常と考えられます。一般的に慢性好中球減少は1500/μL未満を基準とされることが多いですが,その頻度は人種や民族間で異なることが報告されています。わが国では,成人慢性好中球減少症の調査研究班の調査において約4%と推測されています。成人慢性好中球減少症診療の参照ガイドによると,好中球減少症の病態は様々ですが,病型としては大きく,①免疫性好中球減少症,②周期性好中球減少症,③慢性特発性好中球減少症,④重症先天性好中球減少症,⑤その他に分類されています。日常診療では遺伝子異常を気軽に解析することは困難ですが,通常,検診などで発覚する軽度の好中球減少症は,慢性特発性好中球減少症の範疇に入るものが多いと推測されます。

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