「呼吸器外科」と「耳鼻咽喉科(頭頸部外科)」は気道系を扱う診療科で関連の深い分野です。当院では同じ病棟にあり、持ちつ持たれつしながら日常診療を行っています。このため、気軽にコンサルトしやすい状況にあり、大きなメリットになっています。
言うまでもなく、肺癌発症の危険因子のひとつは喫煙です。頭頸部癌、特に喉頭癌を代表とする癌種も喫煙と深い関係にあります。呼吸器外科と耳鼻咽喉科は、ともに「共通の敵」である喫煙と戦う立場にあります。肺癌は現在、日本人のがん死亡数のトップにあり、予防には禁煙が非常に重要です。また、喫煙者の肺癌に対する手術では、周術期合併症の発症率が高いばかりか、術後成績も非喫煙者肺癌と比べて不良です。最近では術前の禁煙は厳しく行われておりますが、依然喫煙は周術期のみならず、術後の長期生存に悪影響を及ぼします。したがって、呼吸器外科と耳鼻咽喉科は協力して禁煙を強力に進める立場にあります。
残り714文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する