公立福生病院(東京都福生市)で透析中止を選んだ44歳の腎臓病の患者が死亡した事案に関して、東京都は9日、同病院に文書指導を行った。さらに今回の事案を踏まえて都内全病院に対し、インフォームド・コンセントと正確な診療記録を徹底するよう周知した。
東京都によると、3月6日に福生病院に対して医療法第25条第1項に基づく立入検査を実施し、病院から提出された診療記録(透析離脱患者4名、透析非導入患者20名)等について確認した結果、法令の不備が判明したという。
具体的には、「患者の意思を確認する書類で保存されていないものがあった」「医師が代替療法の説明を行った記録や患者の心身の状況に応じ適切に説明を行った記録など診療記録において確認できないものがあった」「管理者による必要な注意が不十分であった」(根拠法:医療法第1条の4第2項、第21条、第15条)とする。そのため東京都は、患者に対して適切な説明を行うことや、診療記録を正確かつ最新の内容に保つように努めるよう指導し、指導事項について病院へ改善報告を求めた。
また、厚労省が昨年通知した「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」に関する不備もあったため、ガイドラインに沿い、適切に対応するよう指導したとする。