日本人の死因の上位を占める肺炎、COPD、肺癌などを診る呼吸器内科は、患者数が多く、忙しい科の1つです。神戸以西の郊外にある当院は、神戸中心部からアクセスがよく、ベッドタウンとのどかな風景が混じった地域にあります。神戸より少し離れるだけで研修医の応募が少ない病院でしたが、2016年7月に合併して統合病院ができる予定です。増える高齢者・呼吸器疾患患者への対応に加え、継続的な研修医確保に努力が必要です。
私は、数年前まで民間の救急病院にいたこともあり、患者の主な症状を取り除き、こなしていくのが重要で、周辺症状は二の次という考えで、いわゆるマイナー科はあったら便利という感覚でした。現在の総合病院に移って約4年ですが、当初のその考えはすっかりなくなったと感じます。
他科にはいろいろとお世話になっていますが、特に皮膚科に助けられたのは不明熱と下肢筋力低下で来た患者さんのケースです。喘息の既往と好酸球増多があることから好酸球性多発血管炎性肉芽腫症を疑いましたが、生検する場所が見つかりませんでした。皮膚科へのコンサルトで、数日後に出現した前腕のわずかな発赤を見つけ、生検から好酸球性肉芽腫が検出され、確定診断に至りました。ステロイド投与により無事寛解に至りました。
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