肺癌診療における確定診断の意義(必要性)は,肺癌の進行度によって異なる
確定診断の方法には数種類あるので,確実性と侵襲度のバランスを考慮し,個々の症例に応じて決定する
気管支鏡検査で確定診断が得られる可能性(感度)は,病変の大きさや位置によって大きく異なる
日本肺癌学会の「肺癌診療ガイドライン」によると,確定診断については「一部の手術例を除き,治療開始前に確定診断を行う」ことが勧められている1)。確定診断の方法についてはいくつかの選択肢があり,ガイドラインでは「簡便で低侵襲な検査から実施することが原則」とした上で「各検査の診断率・感度・特異度や合併症率だけではなく,各施設での普及度や術者の習熟度などの状況も加味」して選択することが必要とされている。
以下,ガイドラインの内容に準拠しつつ,実臨床における考え方,判断基準を交えて解説する。