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(3)PICSの対策と今後の展望[特集:集中治療後症候群(PICS)の病態と対策─集中治療の現場が変わる]

No.4967 (2019年07月06日発行) P.32

畠山淳司 (国立病院機構東京医療センター救命救急センター)

飯田有輝 (JA愛知厚生連海南病院リハビリテーション技術科)

井上茂亮 (神戸大学大学院医学研究科外科系講座災害・救急医学分野 先進救命救急医学部門特命教授)

剱持雄二 (東海大学医学部付属八王子病院看護部)

中村謙介 (日立総合病院救急集中治療科主任医長/救命救急センター長)

PICS対策・生活の質改善検討委員会 (日本集中治療医学会)

登録日: 2019-07-08

最終更新日: 2019-07-03

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ABCDEFGHバンドルとは,集中治療後症候群(PICS)やpost-intensive care syndrome- family(PICS-F)を予防するためにABCDEFGHを頭文字とする管理をバンドルで行う概念である

早期リハビリテーションはPICSにおける身体機能障害を予防改善する

集中治療室(ICU)フォローアップ外来は,PICS患者のフォローアップ,ならびに退院後PICSの認知および治療の場である

ICU日記は集中治療によって歪んでしまった記憶を正し,心理的回復を促すツールとして注目されている

栄養療法はPICS/ICU-AW対策の重要な支柱のひとつである

1. ABCDEFGHバンドルとは

重症患者の50~70%が集中治療後症候群(post-intensive care syndrome:PICS)を発症すると言われ,長期予後と関連している。抑うつなどPICSの一部は薬物療法が有効であるが,多くは有効な治療法が確立しておらず,いったん発症するとPICSは自然経過では完全な回復が見込めないことから,予防に重点が置かれる。

ABCDEバンドルとは,人工呼吸管理患者の管理においてPICSを予防するためにAB CDEを頭文字とする管理をバンドルで行う概念1)で,2010年頃より提唱されはじめた。その後,さらにPICSならびに,post-intensive care syndrome-family(PICS-F)を予防するために「FGH」が加えられ,ABCDEFGHバンドルとなった(図1)2)

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