ABCDEFGHバンドルとは,集中治療後症候群(PICS)やpost-intensive care syndrome- family(PICS-F)を予防するためにABCDEFGHを頭文字とする管理をバンドルで行う概念である
早期リハビリテーションはPICSにおける身体機能障害を予防改善する
集中治療室(ICU)フォローアップ外来は,PICS患者のフォローアップ,ならびに退院後PICSの認知および治療の場である
ICU日記は集中治療によって歪んでしまった記憶を正し,心理的回復を促すツールとして注目されている
栄養療法はPICS/ICU-AW対策の重要な支柱のひとつである
重症患者の50~70%が集中治療後症候群(post-intensive care syndrome:PICS)を発症すると言われ,長期予後と関連している。抑うつなどPICSの一部は薬物療法が有効であるが,多くは有効な治療法が確立しておらず,いったん発症するとPICSは自然経過では完全な回復が見込めないことから,予防に重点が置かれる。
ABCDEバンドルとは,人工呼吸管理患者の管理においてPICSを予防するためにAB CDEを頭文字とする管理をバンドルで行う概念1)で,2010年頃より提唱されはじめた。その後,さらにPICSならびに,post-intensive care syndrome-family(PICS-F)を予防するために「FGH」が加えられ,ABCDEFGHバンドルとなった(図1)2)。