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臨床試験と実臨床の違いを考慮した抗凝固薬選択─ワルファリンvs. NOACs [J-CLEAR通信(52)]

No.4749 (2015年05月02日発行) P.46

山崎 力 (東京大学医学部附属病院臨床研究支援センター長/教授,J-CLEAR理事)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-02-20

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  • ┃臨床試験と実臨床における視点の違い

    臨床試験の視点と実臨床の視点は違う。臨床試験では,対象となった集団に対する医薬品(医療機器)の有効性および安全性を評価する。しかし,臨床試験で医薬品が有効(安全)と判断された場合であっても,当該集団に含まれる個々の患者に対してその医薬品が有効であり,かつベネフィットと比較してリスクが許容可能であることを保証するものではない。患者の集団を対象とする臨床試験と眼前の個々の患者を対象とする実臨床とは,その視点がおのずと異なる。
    あるランダム化比較試験(RCT)で,A薬,B薬の有効率がそれぞれ60%,80%という結果が得られたとすると,それ以降はほぼすべての患者においてB薬が推奨されることとなるのであろう。しかし,A薬が有効でB薬が無効の患者も存在する可能性がある。このような患者を1人でも多く救うのが,実臨床での腕のみせどころでもあるのだろう。

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