血清カリウム(K)濃度5.0mEq/L以上を高K血症と呼ぶ。不整脈,末梢神経障害等の重篤な症状は,7.0mEq/Lで生じることが多い。K濃度の上昇速度が速い場合は,これ以下でも生じる。
しびれ感,脱力,不整脈等で気づかれる場合もあるが,多くは血液検査で偶然発見される。診断に際して,採血時の溶血,血小板血症等による偽性高K血症をまず除外する必要がある。腎機能が正常である限り摂取過剰により高K血症を生じることは稀である。原疾患は腎機能低下によるもの,薬剤によるものが多いが,再分布によるもの,副腎不全等を鑑別する必要がある。
致死性不整脈を生じる可能性があり,心電図変化を伴う高K血症は原疾患にかかわらず急速な治療を必要とする。また,腫瘍崩壊,消化管出血等では一時的に血清K濃度が低下しても速やかに再上昇をみることが多く,慎重に経過観察を行う。通常,血清K濃度5.5mEq/L以下では薬物治療は必要としない。
残り701文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する