【質問者】
菅野義彦 東京医科大学腎臓内科学分野主任教授
【腎機能低下の臨床経過と画像診断から腎生検の適応を判断する】
腎生検は,病理所見から腎臓病の診断・病態整理・予後の推定および治療方針の決定に有用な情報を提供できる検査方法です。しかし,腎臓は血管が豊富な臓器であることから合併症として出血の危険性は常に伴います。腎臓病の様々な病態を慎重に考慮し,腎生検の適応を判断する必要があります。
腎生検は一般的に腎機能が良好に保たれている症例に行われますが,急速に腎機能が低下し,画像診断で腎萎縮が認められない場合は腎生検の実施が考慮されます。その際,血清・生化学検査や検尿所見を十分に評価して原因疾患を推定しますが,アミロイドーシスなどの全身性疾患では凝固障害から腎生検後の出血合併症を伴うことがあり,細心の注意が求められます。
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