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腎臓病診療へのAIの応用について

No.5034 (2020年10月17日発行) P.52

後藤 眞  (新潟大学大学院医歯学総合研究科 腎研究センター腎・膠原病内科学分野准教授)

神田英一郎  (川崎医科大学医学部学長付特任教授)

登録日: 2020-10-14

最終更新日: 2020-10-13

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  • 近年,人工知能(artificial intelligence:AI)の発達には目覚ましいものがありますが,腎臓病診療においても今後の展開が気になるところです。診療における問診,臨床診断や病理診断,治療方法の決定などにどのように関与していくのか,現状と今後の展望も含めて,川崎医科大学・神田英一郎先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    後藤 眞 新潟大学大学院医歯学総合研究科 腎研究センター腎・膠原病内科学分野准教授


    【回答】

    【最適な治療法の選択,診療の効率化,個別化医療等の実現が予想される】

    近年,情報通信技術(information and communication technology:ICT)の発達によりビッグデータにアクセスできるようになったこと,および機械学習の精度の向上により,AIが様々な分野で活用されるようになってきました。医学でも応用され,疾患の病態解明や治療にこれらの技術が取り入れられるようになっています。

    ニューラルネットワークは脳のニューロンの機能を模した構造を持っており,多層のものをディープラーニングと呼んでいます。畳み込みニューラルネットワーク(convolutional neural network:CNN)は,データを圧縮し画像を解析することができるため,病理診断に活用されています。従来の解析方法には糸球体や尿細管などの認識が難しいという問題がありましたが,CNNでは解析精度が向上しており,腎移植患者や糖尿病性腎症の組織の解析に成功しています1)2)。腎病理は所見の解釈が難しいため,この画像解析が実用化されれば,専門医のいない地域で役立ちます。

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