大動脈縮窄症は孤立性と他の心疾患と合併する複合型にわかれる。複合型は合併する心奇形とともに手術で修復する必要がある。本稿では,孤立性大動脈縮窄症(CoA)の治療について述べる。また,新生児期・乳児期早期に症状の出るある程度の重症型と,術後の再縮窄,学童以降に高血圧などで偶然診断がつく軽症型に分類する。
最近は日齢1に上下肢の動脈血酸素飽和度(SAT)の測定を全新生児に行っている産院が増えてきた。重症型であると,動脈管がまだ開存しており,下肢に肺動脈から血流が送られるために上肢に比して下肢のSATが低値となる。このような所見のある症例がNICUもしくは循環器専門施設に搬送される。以前に比較すると,状態が保たれたまま搬送されてくる症例が増えてきた。しかし,いまだに動脈管閉鎖もしくは狭小化によるショックで搬送される症例もゼロではない。軽症型では,小児期に血圧を測ることはあまりないために,年長児になり偶然の血圧測定で高血圧を指摘され,それがきっかけで診断がつくことが多い。
診断については心エコーにて行い,CoAの形態については大動脈造影か三次元CTにて評価することがほとんどである。
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