【質問者】
柴垣有吾 聖マリアンナ医科大学腎臓・高血圧内科教授
【患者(と支援者)の希望を支え,苦痛を最小化し,最後まで支援する】
高齢フレイルのCKD患者が透析療法を導入した場合の生命予後は短いです(1年生存率50%程度とする報告もあります)。透析導入は,医療側が患者と支援者側に情報提供し,患者と支援者側は医療側にその先の生き方の希望を伝え,合意形成しながら進めていくことが必要です。日常社会生活に支障をきたすほどの症状をきたす場合には,積極的に透析導入が検討されます。
患者はフレイルで予備能が少ないため,苦痛軽減(身体的,心理的・社会的)もとりわけ重要です。医療側が,透析治療(腹膜透析,血液透析,その併用)の柔軟なオプションを持ち提示できる準備ができていれば,変化していく状況を支えやすくなります。
医療側は治療を積極的に検討していくことが前提ですが,高齢患者は生物学的な死が近い方々であり,その状況での希望は個別性が高く,本人や周囲の方から話をしっかりと聞くことが治療生活を具体化していくに際して重要です。
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