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【匠が教える東西医学部傾向と対策 其の壱〔関東編〕】知識・思考力・表現力をバランスよく身につけよう(日本医事新報特別付録 医学部進学ガイド「医学部への道2022」)

P.19

解説:医学部専門予備校YMS(東京)

登録日: 2021-02-23

最終更新日: 2021-02-23

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国公立・私立を問わず難関となっている医学部受験。しかし私立医大・医学部は各校の入試問題に特徴・傾向があり、しっかりとした対策を練り計画的な学習を積み重ねることで合格を近づけることができる。2020年度入試問題を基に関東の主な私立医大・医学部の傾向と変化、対策について解説する。(日本医事新報特別付録・医学部進学ガイド「医学部への道2022」の全文はこちらから無料でダウンロードできます)

慶應義塾大 医学部

英語例年どおり長文3題と自由英作文1題の構成。長文は読みやすく、当大学志望者であれば難なく読解できたはず。

数学数Ⅲまでを含む出題で、全体的に高いレベルでの計算が求められる。標準問題を精査に素早く解けるかがカギになるが、時には高度な思考力を要求されることもある。

物理▶論述問題は入試問題の枠を超えており、こういった問にも食らいついていきたい。典型問題の失点は致命的。

化学総合的な実力が問われ、過程まで書かせる問題も多い。ノーベル賞やmol定義変更などトレンドにも留意しておきたい。

生物考察力重視で論述問題の量が多い。最新の医系トピックスが取り上げられることもあり、注意を払っておきたい。

順天堂大 医学部

英語よく鍛錬を積んでいれば、十分に太刀打ちできる内容。ただし、時間に対して作業量の多い試験であることを意識して学習を。

数学ここ数年で最も易しい出題。しかし問題量は多いので、日頃から素早い計算処理を心掛けておきたい。

物理「力学」「電磁気」「熱」の出題はほぼ固定。難易度は高めだが、難問の収録された問題集等で対策は可能である。

化学計算問題の比重が大きく、試験時間内の完答は難しい。合格のためには問題の取捨選択が必要である。

生物難化傾向にあり、グラフ・図表を使った出題が非常に多い。全範囲を満遍なく学習して、さらに高難度出題対策として参考書や図説もフォローしておきたい。

昭和大 医学部

英語長文1題から2題出題の形式に戻った。長文内容は読みやすく、内容一致の選択肢も正答を導きやすい。

数学計算量・問題量が減ってやや易化。幅広い分野からの出題だが難問は少ないため基礎を中心に学習しておきたい。答のみの記入となるため、最後まで正しく解ききる力が必要となる。

物理「力学」「電磁気」「波動」からの出題が多い。高レベルの問題は見慣れないテーマも多い。標準難度の出題は完答できるようにしたい。

化学生化学分野は、よく読めば生物選択者でなくても解答を導き出せる。そのため読解力を養っておこう。

生物選択、穴埋め、計算、描図、論述の形式で出題される。特に論述は解答を20〜50字程度にする必要があり、要約力が求められる。

東京慈恵医大

英語設問指示がすべて英文になり、和訳問題も消滅。全体の傾向として、英文記述力を問われる出題が多いことに留意しておきたい。

数学記述が多く、答を出すまでの過程を理路整然と説明する能力が問われる。頻出分野は「確率」「微積分」「数列」。ここ数年の過去問を踏まえた上で、まったく点の取れない分野をなくしておきたい。

物理生活や医学に絡めた分野横断型の出題が顕著。論述や描図問題の出題もある。解法だけでなく、解答の根拠を意識しながら問題を解いていこう。

化学私立医学部のなかでは最難関レベル。見たことはあるが普段と違う視点が求められる、という点が難しい。問題を丁寧に読んで解答したい。

生物問題量が非常に多い。出題自体も時間のかかるものが多く、時間との戦いになる。分野を問わず標準的な事項はきちんと理解を。

日本医大

英語当大学に特有の「適する選択肢をすべて選ぶ」タイプの問は、長文は平易なものの精緻な読解が求められる。

数学ここ数年は数Ⅲ、数Bの出題が非常に多く、融合問題も多い傾向がある。計算力を求められる問題も多く、合否を分ける科目といっても過言ではない。

物理「熱」と「原子」からの出題が多い傾向。標準レベルの典型テーマが中心だが、誘導の少なさで解きにくい問題がある。

化学理論分野2題、有機分野2題という形式の傾向が強い。問題量に比して試験時間が短いため、問題の取捨選択をする必要がある。

生物思考力を要する問題や計算問題が多い。論述問題は得点がつきやすく、簡潔で的確に文章化するトレーニングをしておくとよい。

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