医学部人気の高まりを受け、この10年で“医学部専門”の看板を掲げる予備校が急増する中、6年連続でNo.1の合格実績(2020年度「医学部予備校ナビ」調べ)を誇るのがメディカルラボ。偏差値70でも決して安心できない難関に次々と生徒を合格させるメディカルラボの快進撃の秘訣とは─。英語講師として現場でも指導を行い、本部教務副統括を務める尾木歩氏に話を聞いた。(日本医事新報特別付録・医学部進学ガイド「医学部への道2022」の全文はこちらから無料でダウンロードできます)
尾木 現在の医学部入試は、私立であっても偏差値70以上の高い学力が求められます。合格を勝ち取るためには、「限られた時間を効率的に使うこと」と「自分の学力特性にあった大学を選定し、出題傾向に合わせて対策すること」の2つが非常に重要だと考えています。メディカルラボではこうした医学部入試の実情を踏まえ、「完全個別システム」という学習システムを採用しています。
尾木 メディカルラボではすべての授業がプロ講師による1対1の個別指導です。効率的な指導を行うため、入校時に学力状況を総合的に把握する「スタートレベルチェックテスト」を受けてもらい、その結果を踏まえ、ゴールまで見据えた個別カリキュラムを作成、指導を進めていきます。
カリキュラムの特徴の1つとして、高卒生に対して行う〝スパイラル方式〟という学習法があります。高卒生は高校3年間のベースがあるので、まず春から夏までに基礎的な部分をメインに全単元を一通り学習します。秋口からは応用力、実践力をつけるためにテキストレベルを上げて、11月までにもう一周します。11月には志望校が決まるので、過去問や類題などを使いながらいわゆる受験校対策を行います。この流れで進みつつ、理解していると思っていた内容であっても解答できなければ、もう一度戻ってやり直します。これを繰り返すことで理解を定着させていく学習法がスパイラル方式です。
もう1つの特徴は、市販のテキストを使用していることです。市販のテキストは多種多様なラインナップがあります。生徒一人ひとりに合わせた指導を行うには、その生徒に最適なテキストを科目ごとに選び、組み合わせて使用することが大切だと思っています。さらに、市販のテキストのメリットは解説が充実しているところです。最終的には自学自習で理解を定着させることが目的なので、その点でも市販のテキストを使うほうが効率的なのです。
尾木 メディカルラボには、全国27校舎から全医学部の入試情報が毎年集まってきます。全国から集めた精度の高い情報を基に、生徒一人ひとりの知識量や理解度、志望校、性格などに合わせて、教え方、課題、学習方法のアドバイスなどを変えています。医学部受験のプロであるだけでなく、目の前の生徒としっかり向き合うことができコミュニケーション能力に長けた個別指導のプロでもある講師が、科目ごとに年間を通じて指導を行います。受験校の決定に際しては偏差値だけではなく各大学の受験方式や出題傾向、個々の学力特性をマッチングさせ、合格可能性の高い医学部を選定します。合格に向けての目標設定も「全科目7割以上」というような大雑把なものではなく、科目ごとの目標を設定し、直前対策で目標をクリアするために必要なことを徹底的に指導していきます。そうすることで多くの生徒を合格に導いています。
尾木 入試本番で得点できる生徒を育成することに重点を置いているところだと思います。象徴的なシステムが「3段階150分授業」です。最初の50分で重要事項や解法を講師が分かりやすく解説、次の50分で演習問題を解いてもらい、自分で解ける問題と解けない問題を仕分けします。最後の50分で解けなかった問題について講師が解説する、という流れになっています。これにより1回の授業で効率的に理解を定着させることが可能になります。
このほか1週間の時間割、チェックテスト、ケアレスミスノートといったさまざまなシステムが完全習得を図るという狙いで組み立てられています。
「完全個別指導」を掲げるメディカルラボでは、入試本番で実力を発揮し合格してもらうことを使命と捉えています。そのため、生徒の質問には全部答えますし、小テストや模試の結果についてのフィードバックも丁寧に行うなど、他校の個別指導と比較してもその徹底ぶりは卓越したものだと自負しています。
尾木 通学して対面で授業を受けることに不安を感じている生徒向けに、オンライン授業を用意しています。録画型の映像配信ではなく、対面で1対1授業を担当しているプロ講師が、150分のライブ配信をします。対面授業と同じような双方向のコミュニケーションをベースにして理解を深めたり定着を図ったりするというメディカルラボの完全個別指導の特徴をオンラインでも実感してもらえる授業を提供しています。現在は1割程度の生徒が、オンラインでの受講を続けています。
そのほか、校舎内の感染予防対策を徹底しており、生徒が発熱などの症状で欠席した場合はもちろんのこと、講師が同様に休んだ場合も、後日振替授業を設定するシステムを取っています。
尾木 個別カリキュラムや個別担任制など、生徒一人ひとりへのケアが充実しているので、計画的な学習進行やモチベーションの維持が苦手な生徒には、特に向いていると思います。また意外に感じられるかもしれませんが、学力が高く、さらにレベルの高い医学部を目指したい、という生徒にも向いています。偏差値を65から70に上げるには、画一的な集団指導では効率が悪く、個々の課題に合わせピンポイントで指導していかなければ成果を得にくいのです。講師と解法について議論したり、自身の解法を講師に説明したりすることで、理解が深まり、視野を広げることにもつながり、学力を高めていくことが可能になります。完全個別指導はどのタイプの生徒にも対応できるように開発したシステムなので、興味のある方は一度体験してもらいたいと思います。