【質問者】
宇都宮一典 東京慈恵会医科大学 総合健診・予防医学センター長
【高齢者でも末期腎不全への進展リスクの高い症例に対して,蛋白制限を行う】
糖尿病性腎症の重要な成因として糸球体過剰濾過が挙げられます。糖尿病では,糸球体の輸入細動脈が拡張しているため糸球体内に流入する血流量が増加しており(糸球体過剰濾過),その結果,糸球体高血圧が生じ,糸球体硬化の形成につながると考えられています。蛋白制限食は糸球体過剰濾過を抑制すると考えられています。蛋白制限食の実施方法については,2020年に日本糖尿病学会から「糖尿病患者の栄養食事指導―エネルギー・炭水化物・タンパク質摂取量と栄養食事指導―」としてコンセンサスステートメントが発表されています。
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