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保存期慢性腎臓病治療薬の薬事承認について

No.5065 (2021年05月22日発行) P.46

栗田宜明 (福島県立医科大学附属病院 臨床研究教育推進部部長・特任教授)

田中基嗣 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構 新薬審査第一部)

登録日: 2021-05-19

最終更新日: 2021-05-18

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  • 保存期慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)の診療時,腎機能が改善する治療薬はないかと患者から尋ねられます。保存期CKDの治療薬はどのような基準を満たせば承認審査を通過しますか?
    独立行政法人医薬品医療機器総合機構・田中基嗣先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    栗田宜明 福島県立医科大学附属病院 臨床研究教育推進部部長・特任教授


    【回答】

     【臨床試験(治験)で有効性および安全性を含めた臨床的意義が示される必要がある】

    わが国において,医薬品,医療機器および再生医療等製品は,「医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律」(通称,薬機法)に基づいて,薬事規制当局である独立行政法人医薬品医療機器総合機構(Pharmaceuticals and Medical Devices Agency:PMDA)で審査され,PMDAの審査結果に基づいて,厚生労働省が承認します。

    医薬品の承認審査は,基本的に非臨床試験および臨床試験(治験)の成績に基づいて行われます。薬事承認を得るためには,薬機法に定められている「承認拒否事由」に該当しないこと,すなわち①実施された試験や提出された資料の信頼性が担保されていること,②適切にデザインされた臨床試験結果から,対象集団における有効性がプラセボよりも優れていると考えられること,③得られた結果に臨床的意義があると判断できること,④ベネフィットと比較して,許容できないリスクが認められていないこと,⑤品質確保の観点から,一定の有効性および安全性を有する医薬品を恒常的に供給可能であること,が求められます。

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