【質問者】
前田嘉信 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 血液・腫瘍・呼吸器・アレルギー内科教授
【現状ではupfrontでの自家移植併用大量化学療法が推奨される】
若年者の初発未治療多発性骨髄腫に対する治療は,新規薬剤であるPI,IMiDおよびAbが登場する前はupfrontでのHDC/ASCTが推奨されていました。その後,PI,IMiDが登場し,その優れた治療成績からupfrontでのHDC/ASCTの必要性が疑問視され,新規薬剤単独療法と新規薬剤+upfrontのHDC/ASCTを比較する臨床試験が行われました。イタリアとイスラエルが行った臨床試験(RV-MM-PI-209)1)およびイタリア,チェコ,オーストラリアが行った臨床試験(EMN-441)2)の報告では,無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)ともにupfrontのHDC/ASCTのほうが良好でした。ところが,フランス,ベルギー,スイスで行われた臨床試験(IFM 2009)3)および欧州骨髄腫ネットワークで行われた臨床試験(EMN02/HO95)4)の報告では,PFSはupfrontのHDC/ASCTのほうが良好でしたが,OSに関しては差がみられませんでした。
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