中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門部会は、医薬品・医療機器の費用対効果評価制度における分析プロセスのあり方をテーマに議論し、厚生労働省が提示した見直し案を大筋で了承した。専門部会は今回を含め、2~3回にわたって制度見直しに向けた課題を一通り議論した後、再度、関係業界からのヒアリングを行う予定。
部会が了承したのは、①標準的な分析プロセスと分析期間、②分析前協議、③分析対象集団の取扱い、④評価終了後の再評価プロセス、⑤効能追加時の取扱い―に関する見直し案。多くが、現行制度の最大の課題とされている、対象品目の指定から分析結果を薬価や材料価格に反映させるまでの期間短縮に主眼を置いた内容となっている。
①では、現在は公的分析の前となっている、費用対効果評価専門組織(以下、専門組織)による「企業分析の確認」の実施時期を変更。企業分析と公的分析の結果を比較しながらの評価が可能になるように、公的分析による企業分析の検証結果が出た後に改める。②では、分析前協議の開催時期を今よりも前倒しするため、企業が作成する分析の枠組み案について、品目指定から3カ月後の専門組織に提出することを求める。企業と公的分析側の合意が得られた場合には、1回目の分析前協議から臨床の専門家等の参加を認め、協議の迅速化も図る。
⑤は、これまでの審議で大きな争点となった、費用対効果評価の対象品目の効能追加の扱いを整理。具体的には、▶分析枠組みの決定前の効能追加は、原則として、追加された効能を含めて分析枠組みを決定する、▶追加効能を含めて分析枠組みを決定することで、分析全体が大幅に遅延することが想定される場合には、当該効能を含めずに分析を進めた上で、費用対効果評価案の決定後に改めて、H3区分(費用対効果評価終了後に評価に重要な影響を与える知見が得られ、再評価が必要と認められた品目)への該当性について検証する―とした。