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バーター(Bartter)症候群[私の治療]

No.5099 (2022年01月15日発行) P.44

原田涼子 (東京都小児総合医療センター腎臓・リウマチ膠原病科)

幡谷浩史 (東京都小児総合医療センター腎臓・リウマチ膠原病科・総合診療科部長)

登録日: 2022-01-16

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  • バーター症候群(Bartter syndrome)は,NaClの輸送に関わるHenle係蹄の太い上行脚の障害による低カリウム血症,代謝性アルカローシスなどを特徴とする,先天性の尿細管機能障害による症候群である。ギッテルマン症候群(Gitelman syndrome)とともに1つの疾患概念ととらえることが一般的であり,遺伝性塩類喪失性尿細管機能異常症(salt-losing tubulopathy)と称される1)
    責任遺伝子と障害部位が明らかとなっており,原因遺伝子別に病型分類がなされる2)(表)。有病率は100万人当たり1人とされている3)

    ▶診断のポイント

    低カリウム血症,代謝性アルカローシスは必発である。血漿レニン活性,血漿アルドステロン値の増加や尿濃縮力障害も参考所見となる。問診では羊水過多や成長障害の有無の聴取も重要である4)。保険適用外であるが,遺伝子診断で確定診断が可能である。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    電解質補充による対症療法が中心である。遺伝子異常に伴う先天性疾患であり,補充は一生涯にわたる。電解質補正の手段としてカリウム製剤,抗アルドステロン薬,アンジオテンシン変換酵素阻害薬などの投与を行う。

    代謝性アルカローシスを呈しているため,カリウム製剤は無機カリウム製剤(塩化カリウム)を使用する。血清K値の上昇はアルドステロン分泌を促すため,アルドステロン拮抗薬であるスピロノラクトンの併用も検討する。

    多尿,低カリウム血症や臨床症状のコントロールに難渋する際は,非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の内服が有効である。NSAIDsは長期内服による腎障害の出現に注意が必要である。

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