血清マグネシウム(Mg)濃度は,血液生化学のスクリーニング検査では通常測定されない。Mgは腎排泄であることから,腎機能が正常な場合は特殊な場合を除き高マグネシウム血症を生じない1)。慢性腎臓病でGFR 30mL/分/1.73m2以下のstage G4以上で生じることが多い。高齢者で筋肉量が減少している場合などには,血清クレアチニンからの推算GFRが実際のGFRより過大となることが多く,注意を要する。
慢性腎臓病患者あるいは高齢者で,酸化Mg等のMg製剤が長期にわたって投与されている場合には,血清Mg濃度を定期的に測定する必要がある。また,大腸内視鏡等に用いる下剤では,Mg含有の下剤,マグコロールⓇ(クエン酸マグネシウム)等は避けることが必要である。腎不全患者への投与で致死例が報告されている2)。慢性腎臓病患者にMg含有製剤が投与されており,意識障害,脱力,徐脈,血圧低下,完全房室ブロック,深部腱反射喪失などがみられる場合は,至急血清Mg濃度を測定する。
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