(質問者:長野県 K)
本例は,歯科医師法第17条の「歯科医師でなければ,歯科医業をなしてはならない」との規定に違反する可能性が高いものと思われます。同条に違反した場合には,3年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金に処し,またはこれを併科(懲役も罰金も科すということ)するものとされています(歯科医師法第29条第1項第1号)。
歯科医師法第17条の「歯科医業」とは「歯科医行為を業とすること」であり,「歯科医行為」とは,当該行為を行うに当たり,歯科医師の歯科医学的判断および技術をもってするのでなければ,人体に危害を及ぼし,または危害を及ぼすおそれのある行為と解釈することができます。
歯科技工士法第20条には「歯科技工士は,その業務を行うに当つては,印象採得,咬合採得,試適,装着その他歯科医師が行うのでなければ衛生上危害を生ずるおそれのある行為をしてはならない」と規定されていますが,これは歯科技工士が歯科医行為を行ってはならないことを注意的に示した訓示規定です。歯科技工士が歯科医行為を行った場合には同条違反ではなく,歯科医師法第17条違反となります。
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